近年、不動産業界においてもSNS活用は「必須」と言える時代になりました。
物件情報を求めるユーザーがInstagramやTikTokで部屋探しをしたり、YouTubeで内見動画をチェックするのは当たり前。さらに、企業の信頼性や雰囲気を知るためにSNSアカウントを確認してから問い合わせをするケースも年々増えています。
しかし「とりあえずアカウントを作ったものの伸びない」「広告費をかけても成果が出ない」と悩む不動産会社は少なくありません。
この記事では【不動産 × SNS戦略】の最新トレンドを解説し、具体的な実践方法と成功事例を紹介します。最終的に「自社の目的に合ったSNS戦略を描ける状態」になることをゴールとしています。
1 不動産業界とSNSの現状
スマホ普及率の上昇と共に、不動産の情報収集経路は大きく変化しました。
以前はSUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトが主流でしたが、最近は「Instagramで物件写真を保存して比較」「TikTokでルームツアーを視聴」「YouTubeで不動産営業マンの解説を参考」といった行動が一般的です。
さらに採用の場面でも「就活生が企業SNSを見て社風を判断」「転職希望者が社員インタビュー動画をチェック」といったケースが増えており、SNSは集客と採用の両面で不可欠になっています。
1-1 SNS戦略を導入する目的を明確にする
まず大切なのは「なぜSNSをやるのか」を明確にすることです。
不動産会社における代表的な目的は以下の3つ。
- 集客:問い合わせや来店予約を増やす
- 採用:新卒・中途人材の応募を増やす
- ブランディング:信頼感・認知度を向上させる

例えば「集客」を目的とする場合、物件写真やルームツアー動画が有効。
「採用」を目的とする場合は、社員のインタビューや社内イベントの様子を伝えると効果的です。
目的によって発信内容やKPIが大きく変わるため、戦略設計の第一歩としてゴールを定めましょう。
1-2 不動産会社が活用すべき主要SNS
SNSと一口に言っても、それぞれ特性が異なります。
- Instagram
ビジュアル訴求が得意。物件写真・間取り図・インテリア紹介などに最適。保存機能で「あとで見たい」ユーザーを取り込める。 - TikTok
短尺動画で拡散力が高い。テンポの良いルームツアーや「不動産あるあるネタ」で若年層にリーチ可能。 - YouTube
詳細な解説動画・セミナー配信に適している。長尺コンテンツで信頼性を構築し、ファン化につなげられる。 - X(旧Twitter)
速報性が高く、キャンペーンやイベント告知に有効。不動産業界のニュースやトレンド発信にも向いている。
会社のターゲット層に合わせ、どのSNSを主軸にするか決めることが重要です。
1-3 不動産SNS運用の成功事例
事例① Instagramで来店予約数が2倍に
ある不動産会社では、物件写真だけでなく「暮らしのイメージが湧くライフスタイル投稿」を強化。
結果として保存数が大幅に伸び、半年で来店予約数が2倍になりました。
事例② TikTokで学生層を採用に誘導
賃貸仲介会社がTikTokで「賃貸物件探しの豆知識」を投稿。フォロワー数は1年で5万人を突破し、採用説明会の参加者が前年の3倍に。
事例③ YouTubeで企業ブランディング
住宅販売会社がモデルハウスのルームツアーや社長インタビューを公開。視聴者からの問い合わせが増え、商談化率も上昇。
2 戦略設計のステップ
不動産会社がSNS戦略を成功させるには、以下の流れが基本です。
- ターゲットを明確にする(新婚層・単身層・投資家など)
- コンセプトを設定する(安心・デザイン・コスパ・地域密着など)
- 運用体制を決める(社内運用 or 外注、投稿頻度)
- KPIを設定する(保存率・問い合わせ件数・フォロワー増加など)
- 分析と改善を繰り返す(月次で効果測定し改善施策を実行)
これを「回せる仕組み」にできるかどうかが成否を分けます。
2-1 投稿コンテンツの具体例
- 物件紹介:写真+間取り+暮らしのイメージ
- 社員紹介:人柄を伝えて信頼感アップ
- お役立ち情報:引越しのコツ、住宅ローンの知識
- お客様の声:実際に契約した人のリアルな感想
単なる物件宣伝だけでなく、ストーリー性や体験価値を盛り込むのがポイントです。
2-2 広告活用のコツ
不動産業界は広告単価が高い傾向にあります。
だからこそ「最初から広告に頼る」のではなく、まずはオーガニック運用で反応が良い投稿を広告に回すのが効率的です。
例:
- Instagramのリールで保存率が高かった投稿を広告化し、地域ターゲティングで配信
- YouTubeの人気動画を切り抜いてショート広告として配信
こうすることで、無駄な広告費を削減しつつ成果を最大化できます。
3 注意点と失敗例
不動産会社がSNSを活用する際には、メリットが大きい一方で、運用方法を誤ると逆効果になってしまうケースも少なくありません。ここではよくある失敗例と、その背景にある問題点、さらに防止策について解説します。
1. 情報更新が止まっている
アカウントの更新が数か月以上途絶えてしまうと、閲覧者からは「この会社は活発に活動していないのでは?」と不信感を抱かれやすくなります。特に不動産は信頼性が重視される業界のため、発信が止まることで会社の勢いまで疑われるリスクがあります。更新を継続するためには、社内で投稿スケジュールを共有し、担当者が不在の時でも更新が途切れない体制を整えることが重要です。
2. 物件情報だけの投稿に偏る
「物件紹介」ばかりが続くと、ユーザーにとっては単調で広告的に見えてしまい、フォローや保存といった行動につながりにくくなります。実際に成約につなげるには、ユーザーの“ファン化”が欠かせません。暮らしの豆知識や地域情報、スタッフ紹介などを組み合わせることで、ブランドとしての親近感や信頼感を醸成できます。物件情報と生活提案をバランスよく発信することがポイントです。
3. 運用担当者が属人化している
「SNS運用は○○さんに任せているから大丈夫」という状態も危険です。もし担当者が退職や異動になれば、その時点でアカウントが放置されてしまう可能性が高まります。属人化を防ぐためには、運用マニュアルを作成し、複数人でアカウントを管理できる仕組みを整えることが不可欠です。さらに、定期的に効果測定を行い、運用体制の見直しをすることで長期的な発信力を維持できます。
つまり、SNS運用の失敗を避けるには、
- 更新の継続性を確保する仕組みづくり
- コンテンツの多様化によるユーザーのファン化
- 属人化を防ぐマニュアル化と複数人運用
この3つが欠かせません。地道な改善を積み重ねることで、SNSは“短期的な広告ツール”ではなく、“長期的な資産”として育っていきます。

まとめ 不動産会社のSNS戦略で成功するために
SNSは「やればすぐ成果が出る魔法のツール」ではありません。
しかし、目的を明確にし、ターゲットに合わせて適切な媒体・コンテンツを選び、継続的に運用すれば確実に成果につながります。
- 集客 → 物件+暮らしのイメージを発信
- 採用 → 社員の人柄や社風を可視化
- ブランディング → 長期的に信頼を構築
この記事を参考に、自社の現状とゴールを照らし合わせながらSNS戦略を設計し、「選ばれる不動産会社」を目指してください。
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