近年、不動産業界でもInstagram（インスタ）が重要なマーケティングツールとして注目を集めています。写真や動画メインのインスタは若い世代を中心に利用され、物件の魅力を直感的に伝えやすいSNSです。
「物件紹介にインスタなんて必要あるの？」と思う方もいるかもしれませんが、インスタ運用を通じて新たな顧客層にリーチしたり、自社のブランディングにつなげたりするチャンスは大いにあります。
本記事では、不動産会社がインスタを活用するメリットや具体的な運用ノウハウ、成功事例までカジュアルに解説します。読み終えた頃には「うちもインスタ運用を始めてみようかな」と感じていただけるはずです。
不動産業界でInstagramが必要な理由
Instagramの利用者層と不動産業界の相性
インスタは10代〜30代の若年層に特に人気のSNSで、不動産業界との相性は抜群です。
たとえば賃貸物件を探す20〜30代はスマホで情報収集することが多く、インスタのオシャレな写真や動画から部屋探しのヒントを得る人も増えています。実際、「#ルームツアー」などのハッシュタグで理想の部屋を探すユーザーも多くいます。不動産会社にとって、こうしたインスタ上の潜在顧客にリーチできるのは大きな強みです。
写真・動画で物件PRできるメリット
不動産の魅力は百聞は一見にしかず。文章で間取りや設備を説明するより、実際の部屋の写真や内覧動画を見せた方が伝わりやすいですよね。インスタでは物件の内装や外観、周辺環境を美しいビジュアルで発信でき、見る人に「こんな部屋に住んでみたい！」と直感的に訴求できます。
さらにストーリーズやリールを使えば、短い動画で物件の雰囲気や周辺の街並みを紹介することも可能です。遠方にいる人でも現地に行かず物件の良さを感じられるため、集客の幅が広がります。
不動産会社によるインスタ活用の広がり
実際にインスタをマーケティングに活用する不動産会社は年々増加しています。ある調査では、不動産事業者の約4割がインスタを運用しているとの結果も出ています。また、大手ハウスメーカーの中にはフォロワーが10万人を超える公式アカウントもあります。
たとえば積水ハウス株式会社 (@sekisuihouse)は統一感ある内装写真で多くのファンを獲得し、賃貸仲介のgoodroom(@goodroom_jp)は目を引くタイトル付き投稿で15万超のフォロワーを集めています。
こうした事例からも、インスタが不動産ビジネスにおいて無視できない媒体になっていることが分かります。
Instagram運用の基本戦略
まず目的を明確にしよう
闇雲に投稿を始める前に、「何のためにインスタを運用するのか」をはっきりさせましょう。目的によって運用の仕方は変わります。新規顧客の集客が目的なら物件情報やお役立ち情報を発信して問い合わせにつなげる施策が有効ですし、企業のブランディングが目的なら自社の強みやスタッフの人柄が伝わるコンテンツに力を入れると良いでしょう。漠然と始めるのではなく、ゴールを決めれば投稿内容の軸もブレません。
運用方針を決め、継続しやすくする
目的が決まったらインスタ運用の方針を立てます。週に何回投稿するか、どんな内容を投稿するか、あらかじめ計画しておくことで「ネタがなくて更新が止まった…」を防げます。
例えば「週3回投稿で、月・水は物件紹介、金曜はスタッフの日常紹介」のようにルール化してみましょう。無理のない計画でコツコツ継続することが、インスタ運用成功への近道です。
成功に必要なマインドセット
インスタ運用で結果を出すには長期的な視点とユーザー目線が欠かせません。すぐにフォロワーや反響が増えなくても落ち込まず、「じっくり育てる」感覚でアカウントを成長させていきましょう。
また、自社都合の宣伝ばかりではなく、見る人にとって役立つ情報や楽しめるコンテンツを提供する意識を持つことも大切です。さらに、コメントへの返信やDMでの丁寧な対応などフォロワーとの交流を楽しむ姿勢も成功につながります。
フォロワーを増やし集客につなげる運用テクニック
フォロワーを増やし、それを集客につなげるためにはいくつかのコツがあります。ここではコンテンツ作りのアイデアからハッシュタグの使い方、キャプションの工夫、リールやストーリーズの活用法まで具体的なテクニックを紹介します。
投稿コンテンツのアイデア
- 物件紹介投稿
空室写真を載せるだけでなく、観葉植物や家具を置いて生活をイメージできる写真やルームツアー動画などで物件の魅力を伝えましょう。 - エリア情報の発信
物件だけでなくエリアの魅力も発信しましょう。
最寄りのカフェや公園を紹介すれば「この街に住みたい！」と思うフォロワーを増やせます。 - スタッフ紹介・社内の様子
社員の人柄やオフィスの雰囲気が伝わる投稿で親しみを持ってもらいましょう。
スタッフの趣味やおすすめスポットを交えると、「この会社になら相談できそう」と感じてもらいやすくなります
ハッシュタグの選び方
ハッシュタグを工夫すると、興味を持ちそうなユーザーに投稿を見つけてもらいやすくなります。物件ジャンルやエリアに関連するタグ（「#○○市賃貸」「#ペット可物件」など）や、部屋探し中の人が使いそうなタグ（「#部屋探し」など）を付けてみましょう。
闇雲に大量のタグを付けるより、投稿内容に合ったものを厳選することが大切です。適切なタグはあなたの投稿とユーザーをつないでくれる架け橋になります
キャプション（投稿文章）の工夫
写真や動画が主役のインスタですが、キャプション（投稿につける文章）も侮れません。物件の詳細情報やストーリーを補足しつつ、最初の一文で興味を引く工夫をしましょう（例：「【駅徒歩5分】陽当たり抜群のリビングを公開中！」）。質問を投げかけて終わるとコメントが付きやすくなります。
また「詳細はプロフィールのリンクからどうぞ」といったひと言を添え、閲覧者に次のアクションを促すことも忘れずに。
リール・ストーリーズの活用法
リール（短尺動画）はフォロワー以外にも表示されやすく、物件の内覧ダイジェストや街の風景をテンポ良くまとめれば一気に認知度を上げるチャンスになります。
ストーリーズではアンケート機能や質問機能でフォロワーと気軽に交流できます。「どの物件が好み？ぜひ投票してください！」といったやり取りで親近感を高められます。
成功事例から学ぶInstagram運用
「本当に効果があるの？」という方のために、インスタ運用で成果を上げた不動産会社の事例を3つご紹介します。
フォロワー1万人達成！I’s roomの成功ストーリー
女性向け賃貸サービス「I’s room(@is_room_)」は、インスタ開始からわずか3ヶ月でフォロワー1万人を達成しました。20代女性に響くおしゃれな内装写真や、一人暮らし向けのルームツアー動画を連日投稿した結果、短期間で爆発的にフォロワーを獲得。女性スタッフ目線の親しみやすい情報発信が奏功した好例です。
物件問い合わせ数が2倍に！アセットナビの運用工夫
東京23区で賃貸仲介を行う「アセットナビ(@assetnavi)」は、リール動画で物件の生活イメージを伝える工夫によりインスタ経由の問い合わせ数が約2倍に増加しました。明るいリビングで過ごす様子や周辺環境のミニ動画など、物件に住む自分を想像できるコンテンツが好評で、フォロワーからの反応が問い合わせにつながった事例です。
地域密着型運用でブランド力向上！東宝ハウス国分寺
東京・国分寺エリアに根ざす「東宝ハウス国分寺 (@kokubunji_sanpo)」は、地域情報を発信するインスタ運用でブランド力を高めました。物件紹介だけでなく、地元のカフェやイベント情報を継続的に投稿することで「街の案内人」として認知され、フォロワー約1,500人ながら質の高いファン層を獲得。地元住民からの信頼を得て、地域の不動産会社としての存在感を強めた好例です。
よくある失敗とその解決策
インスタ運用で陥りがちな失敗と、その解決策をご紹介します。
投稿が続かない場合の解決策
最初は順調でも忙しさやネタ不足で投稿が止まってしまうケースはよくあります。解決策は、無理のない頻度で投稿計画を立て直し、チームでネタを共有することです。週1回でも良いので長く続けることを優先し、現場スタッフから写真やエピソードを集めてネタ切れを防ぎましょう。
完璧を求めすぎず、短くても定期的に発信する方が結果につながります。
フォロワーが増えない場合の改善策
一生懸命投稿しているのにフォロワーがなかなか増えないときは、コンテンツ内容が刺さっていない可能性があります。物件情報ばかりでマンネリ化していないか見直し、地域の豆知識や部屋探しのコツなど意外性のある投稿を混ぜてみましょう。
また、投稿する時間帯をターゲット層が多く利用する時間に合わせたり、ハッシュタグを見直して新規ユーザーにリーチする工夫もしてみてください。
反応が薄いと感じたときに試すこと
投稿に対する「いいね」やコメントが少なく手応えがない場合は、フォロワーとの双方向コミュニケーションを増やす工夫をしてみましょう。ストーリーズでアンケートを取ったり質問コーナーを設けたりするとリアクションが得られやすくなります。
また、寄せられたコメントにはできるだけ丁寧に返信しましょう。「ちゃんと見てくれている」と感じてもらえればエンゲージメント向上につながります。
さらに、写真の見せ方を工夫したり新しい企画に挑戦してみるなど、コンテンツに変化をつけて新鮮さを出すことも有効です。
まとめ：今日からできるインスタ運用の第一歩
最後に、今すぐ始められるアクションを確認しましょう。まずは自社の公式アカウントを開設し、初投稿にチャレンジしてみてください。「これから◯◯エリアの物件情報を発信していきます！」と簡単な宣言投稿でもOK。
大切なのは完璧を期すより一歩踏み出すことです。
継続のコツはマイペースに楽しむこと。数字に一喜一憂せず、フォロワーとの交流やコンテンツ作り自体を前向きに楽しめば、その姿勢は自然と伝わりファンが増えていきます。現在は短尺動画（リール）が主流ですが、ライブ配信など新たなトレンドも意識しつつ、基本である「価値ある情報を届ける」姿勢を忘れなければ大丈夫です。
それでは今日からインスタ運用に挑戦してみましょう！地道な積み重ねが数ヶ月後には大きな成果となり、あなたの不動産会社にとって強力な集客・ブランディング手段になるはずです。
