近年、不動産業界でもInstagramやTikTokなどSNSの活用が急速に広がっています。その中でも「リール」機能は、短時間で物件の魅力を伝えられるだけでなく、フォロワー以外のユーザーにも届きやすい特性から、集客ツールとして注目を集めています。しかし、ただ動画を投稿するだけでは思うような成果が出ないことも。そこで本記事では、不動産会社がSNSのリール機能を活用して効果的に集客するためのポイントや、ストーリーズやTikTokとの違い、運用時の注意点まで詳しく解説します。
1 SNSが変える不動産集客の新常識
SNSの利用は20〜30代を中心に生活の一部となり、不動産探しのスタイルにも大きな変化をもたらしています。従来のポータルサイトや紙媒体中心の集客から、SNS上で物件情報や暮らしの様子を発信し、直接ユーザーとつながる時代になりました。その中でもInstagramやFacebookが提供する「リール」機能は、15〜90秒の短尺動画で直感的に魅力を伝えることができ、フォロワー以外にも拡散されやすいアルゴリズムを備えています。不動産会社にとっては、物件紹介、ブランドイメージ向上、ファンづくりの全てに活用できる可能性があります。
1-1 リールとは？ストーリーズやTikTokとの違い
リールは、InstagramやFacebookが提供する短尺動画投稿機能で、最大90秒の縦型動画を作成・投稿できます。リール専用タブや発見タブに表示されるほか、フォロワーのフィードにも表示されるため、幅広いユーザー層へのリーチが可能です。
ストーリーズとの最大の違いは、公開期間と表示対象です。ストーリーズは24時間で消え、基本的にフォロワーのみに表示されますが、リールは削除しない限り長期間残り、フォロワー以外にも届きやすい特性があります。
また、TikTokとの違いはプラットフォームの特性にあります。TikTokはアプリを開くとすぐに動画が再生され、拡散力が非常に強い反面、利用者層は若年層寄り。一方、Instagramリールは既存のフォロワーやハッシュタグ検索を通じて広がり、20〜40代まで幅広い層にアプローチしやすいのが特徴です。
不動産会社がターゲットにする年齢層や商圏を考慮して、どの媒体を主軸にするかを判断することが重要です。
1-2 不動産会社がリールを活用すべき理由
- 潜在顧客へのアプローチが可能
ポータルサイトは「今すぐ探している人」に強い一方、SNSリールは「将来検討するかもしれない人」にも自然に情報を届けられます。日常的に物件の雰囲気や暮らしの魅力を見せることで、潜在層の心にブランドを刷り込めます。 - 感情に訴える表現力
写真や文字情報だけでは伝えきれない、部屋の広がりや光の入り方、街の雰囲気などを映像と音楽で感覚的に届けられます。これにより「この物件を見たい」と思わせるきっかけになります。 - 広告費削減につながる可能性
成功すればオーガニック（自然流入）で数千〜数万回再生されるため、広告に頼らず認知を広げられます。
2 リール活用のためのコンテンツ企画例と投稿ポイント
不動産会社が成果を出すには、コンテンツ企画と投稿運用の両方が重要です。
〈コンテンツ企画例〉
- ルームツアー動画：玄関から各部屋、バルコニーまでを短くテンポよく見せる。
- 街歩き動画：最寄駅から物件までの道のり、周辺の商店街やカフェを紹介。
- スタッフ紹介：営業担当や管理スタッフの人柄を伝えることで信頼感を醸成。
- ビフォーアフター：リフォーム・リノベーション前後を比較。
- 暮らしのTips：収納アイデアや引っ越し準備のコツなど、役立つ情報を提供。
〈投稿のポイント〉
- 最初の3秒で惹きつける
ユーザーはスクロールが早いため、冒頭に魅力的なシーンやキャッチコピーを配置。 - テロップで情報を補足
音声オフでも理解できるよう、物件名・立地・家賃などを表示。 - ハッシュタグ戦略
#地域名 #駅名 #不動産会社名 など、ターゲットに届くタグを選定。 - 継続的な投稿
週1〜2回のペースを維持し、アルゴリズム評価を高める。
３ 不動産会社向け・リール作成の7つのコツ
- テーマを明確にする
撮影前に「何を伝える動画なのか」をはっきりさせることで、ストーリー性が生まれます。 - 撮影は明るい時間帯に
自然光で室内を明るく映すことで清潔感と開放感を演出できます。 - 広角レンズやジンバルを活用
揺れの少ない安定した映像は、視聴者の信頼感を高めます。 - BGMとテンポを意識する
音楽に合わせてカットを切り替えると、最後まで見てもらいやすくなります。 - テロップで魅力を補足
音声オフでも理解できるように、重要情報は必ず字幕で入れます。 - 最初の3秒で興味を引く
物件の最も映える瞬間を冒頭に配置してスクロールを止めてもらいます。 - CTA（行動喚起）を入れる
「詳細はプロフィールのリンクから」など、次の行動を促す仕掛けを入れましょう。
4 運用時の注意点と成果測定で効果を最大化する
4-1 運用時の注意点
リールは魅力的な動画を投稿するだけでなく、その後の信頼維持やリスク回避も重要です。
- 情報の正確性を徹底
物件条件や価格、所在地などに誤りがないよう二重チェックします。誤情報は信頼を損ない、問い合わせの質にも影響します。 - 著作権・肖像権の確認
使用するBGMはInstagram公式提供の音源や著作権フリー素材を使用しましょう。人物が映る場合は必ず許可を取り、クレームや法的リスクを防ぎます。 - プライバシー配慮
撮影時に近隣住民や通行人が特定されないよう、背景や映り込みに注意することが大切です。
4-2 成果測定と改善
投稿の成果を客観的に把握し、改善を続けることでリールの効果は高まります。
- Instagramインサイトの活用
リーチ数、再生数、保存数、プロフィールアクセス数などを定期的に分析します。 - 重要指標の把握
保存数やプロフィールアクセスは「興味の高さ」を示す指標です。これらが高い投稿の傾向を分析し、次回の企画に活かします。 - 改善サイクルの実施
投稿内容、時間帯、ハッシュタグを変えながらPDCAサイクルを回し、パフォーマンスを継続的に向上させましょう。
まとめ
SNSリールは、不動産会社が集客力を高めるために非常に有効なツールです。ストーリーズやTikTokとの違いを理解し、戦略的に活用することで、潜在顧客へのリーチ、ブランド力向上、成約率の向上が期待できます。まずは1本、物件の魅力を伝える短尺動画を制作し、投稿から改善のサイクルを回してみましょう。
